7本のビデオテープ残して行方不明になった男の行方を追うという、物語を交えたドキュメント・オデッセイ。 謎の失踪を遂げた男を演じるのは、映画『海獣の子供』でアングラード役を務める森崎ウィン。 男が残したテープに、現実の科学者や専門家のインタビューを組み合わせ、 最新の科学的知見に基づき、現実とイマジネーションの境界を超越した、これまでにないリアリティーを創り出した本作は、 五十嵐大介氏の漫画「海獣の子供」でも希求された、生命の秘密や可能性、人類と海や宇宙とのつながり、 文明の新たな未来像が浮かび上がり、映画『海獣の子供』との相乗効果で、 より深く作品世界を楽しむことができる内容となっております。

渡辺歩(映画「海獣の子供」監督)

映画「turep」に寄せて…。

自由だ。
語りべたちはそれぞれの見地で。
宇宙の。自然の。生命の。
そして私たちの意味を解こうとする。

深く聞き入ると。
知らぬ間に人知の岸からはなれて。
帆も錨も持たぬ思考の船は。
生き物の気配に満ちた宇宙をただよう。

その宇宙では。
言葉は音階のぬけたリズムでしかなく。
心地よいままにただうなずく自分に気がつく。
これは自由な映画だ。

答えがあるのか。
答えがないのか。
それをめぐる全ての思考が絶対的に自由なのだ。

ここまで書いて良いことを思いついた。

この映画のフィルムの頭と尻をつなぎ。
終わらぬ上映としたらどうだろう。
観客は好きなところから見て。
好きなところで席を立てばよい。

それほどの自由さをこの映画は持っている。
どうか自由に味わってほしい。