映画「turep」に寄せて…。
自由だ。
語りべたちはそれぞれの見地で。
宇宙の。自然の。生命の。
そして私たちの意味を解こうとする。
深く聞き入ると。
知らぬ間に人知の岸からはなれて。
帆も錨も持たぬ思考の船は。
生き物の気配に満ちた宇宙をただよう。
その宇宙では。
言葉は音階のぬけたリズムでしかなく。
心地よいままにただうなずく自分に気がつく。
これは自由な映画だ。
答えがあるのか。
答えがないのか。
それをめぐる全ての思考が絶対的に自由なのだ。
ここまで書いて良いことを思いついた。
この映画のフィルムの頭と尻をつなぎ。
終わらぬ上映としたらどうだろう。
観客は好きなところから見て。
好きなところで席を立てばよい。
それほどの自由さをこの映画は持っている。
どうか自由に味わってほしい。